派遣が禁止されている職種はいくつか存在していますが、警備の業種はすべて禁止されています。人の体に危害が発生した際は、警備員が警戒、防止をしないといけなく、最悪の場合、命に関わる怪我を負う可能性があり、信頼できる人物であるとともに、厳密な身元の確認が必要だからです。また、工場労働者として派遣していた場合で、見回りをおこなうことも禁止されており、きちんと把握しておくことが大事になります。
2004年に製造業の派遣が可能になりましたが、2008年の6月に起こってしまった「秋葉原通り魔事件」がきっかけで派遣が禁止になりました。犯人が自動車製造業の派遣社員であり、犯人の異常な行動が派遣に関係しているのではないかとマスコミが取り上げたことが原因と言われており、その後に政権与党だった自民党や野党の民主党の間で労働者派遣法の見直しへの論議が始まりました。
薬剤師、栄養士などの資格を活かして派遣社員として働きたいと希望しているかたは少なくないと思いますが、労働者派遣は禁止されており、命を扱う現場ですので派遣社員のかたにお任せできないのが理由です。ただし、直接雇用を予定して派遣を行う紹介予定派遣のケースは認められているので、どうしても働きたいというかたはこの方法を選択するしかありません。
運送業の派遣は多数存在していますが、港湾運送業務は派遣を禁止しており、業務が特殊なことから港湾労働法によって法律が定められており、雇用改善に関しても厚生労働省が様々な対策を行っており、派遣の対象から外れています。以前に港湾運送業務をおこなっていたかたでも同様であり、働きたい場合は、派遣ではない方法で働くしかないのが現状です。
建設現場で修理、解体、建設作業などを派遣社員のかたがおこなうことは禁止されていますが、例外は林業であり、林業の林地の地盤整理などの一部の業務だけは認められています。きちんと把握しておくべき部分は、直接解体、建設作業に従事する業務は禁止されていますが、事務職や工程に関しては建設関係の職種であっても派遣が認められているので、忘れないようにしてください。また、派遣会社が禁止されている業務をおこなって欲しいという要望があるケースが稀にありますが、禁止されているという点が把握しておけば、法律に違反することがないので、安心です。